遺言知識あれこれ

遺言書の検認

 自筆証書遺言は、相続開始後に検認手続を行うことが法律で義務付けられており、これをしないと遺言執行ができません。
 しかし、検認手続には手間と時間がかかってしまい、相続人の方々の大きな負担となります。

 せっかく遺言書を作成したにもかかわらず相続人の方々に大きな負担をかけることのないよう、検認手続とは具体的にどのような手続か、また、検認の手間を減らすためにはどのような方法があるか、以下でご説明いたします。

1 遺言書の検認

 遺言書の検認は、遺言書の状態を確定してその現状を明確にすることで、遺言書の偽造・変造を防止するものです。
 検認手続の有無は遺言の効力そのものには影響を与えません。
 また、検認を受けたからといって遺言の有効性が確認されるわけでもありません。

 遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人は、速やかに家庭裁判所に遺言書検認の申立てをしなければなりません。
 この規定に反して検認を行わなかった場合、5万円以下の過科に処せられます。
 (関連Q&A『Q19.検認手続をしなかったらどうなりますか?』)

 

2 検認の対象となる遺言書

 公正証書遺言以外の全ての遺言書が検認の対象となります(自筆証書遺言も検認の対象となります)。
 検認の対象となる遺言書は、検認をした後でなければ遺言の執行をすることができません。
 もっとも、法務局における遺言書保管制度を利用された場合には検認が不要となるという大きなメリットがあります。

 「しっかり遺言」サービスで作成された遺言書も法務局の保管制度を利用することができますので、公正証書遺言と同様に検認手続をすることなく相続手続を行うことができます。

 

3 検認手続

 検認の申立ては相続開始地(被相続人の住所地)の家庭裁判所に対して行います。
 検認の申立てを行うには、遺言者の相続人を特定するに足りる戸籍謄本を添付書類として提出したり、相続人全員の住所を調べたりしなくてはなりません。
 家庭裁判所は提出された戸籍謄本によって相続人を確認した上で検認期日を定めて各相続人に検認期日呼出状を送達します。

 各相続人に呼出状が送達されれば、期日に相続人の立会がなくとも検認手続は実施できます(ただし、申立人の方は、遺言書を持参のうえ出廷しなくてはなりません)。
 検認期日では、裁判官が遺言書の方式及び遺言書の事実状態を調査した上で、検認調書を作成します。

 検認を終えた遺言書には検認証明が付されます。

 「しっかり遺言」サービスをご利用いただいて朝日信託が遺言執行者として相続手続を行う場合には検認申立手続も朝日信託が行いますので、相続人の方が戸籍を集めたり相続人全員の住所を調べたり裁判所に申立書類を提出したりする負担がありません。
 「しっかり遺言」サービスは、自分で法務局まで行って保管手続をするのが大変だと心配されている方や、法務局の保管制度までは利用するつもりがないものの、検認手続を含めた相続手続が相続人の方々の負担にならないようにしたいとお考えの方のご要望にも応えることができます。

  • Q19.検認手続をしなかったらどうなりますか?

    質問

     母が亡くなりました。遺品を整理していたところ、「遺言状」と書かれた、封がされた封筒が見つかりましたので、中を開けてしまいました。その後に調べていると、封がされた遺言書を見つけた場合には、家庭裁判所で「検認」という手続をしないといけないということを知りました。

     「検認」を受けずに開けてしまった遺言書は無効になってしまうのでしょうか。
     また、開けてしまったことについて、私に罰則はあるのでしょうか。

    答え

     検認というのは遺言書について裁判所で内容を確認することで、確認を行った日以降に遺言書がなくなったり内容を書き換えられたりされてしまった場合でも確認した日の状態が分かるようにして、できるだけ遺言書の中身を保存するための手続であり、検認の前に中身を見てしまったからといって遺言書が無効になることはありません。

     ただし、検認の手続によらずに遺言書の封を開けてしまった場合などには、5万円以下の過料の制裁が定められています。
     一方、遺言書を捨ててしまった場合には、相続権が失われることもありますので、遺言書を開封してしまったとしても、速やかに検認の手続をとられることをおすすめします

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